ランダムの森

20代エンジニアです。プログラミングについて主に書いてます。

知らないと損する福利厚生。pythonで資産シミュレーションして見た結果。

今回は知らないと損する福利厚生、持ち株会について考えてみます。持ち株会に入るべきか否か迷ったことがあると言う人向けに、持ち株に入ることによる資産シミュレーションを行ってみました。

私自身も一時期自社の持ち株会に入るか迷った時期があって、持ち株入会のメリットデメリットを考えたことがありました。

目次

(※pythonのコードは一番下に貼ってあるリンクからご覧ください。)

持ち株会とは?

持ち株会はサラリーマンやってれば馴染みある方も多いかと思います。会社の福利厚生の一つとして存在する制度です。

一般的な持ち株会の仕組みは給料の幾分かを天引きで自社の株買付に回します。

その際に奨励金という形で買い付け額の10%程(会社によります)を会社から支給して貰い、その分多くの自社株を買い付けることができます。

例えば月々5万円を持ち株に突っ込む場合、奨励金レートが10%であれば5.5万円分の自社株を毎月購入することになります。日本株の売買単位は100株であるため、保有株数が100株を超えれば100株単位で売却をすることもできます。

仕組みは下図のようになります。

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因みに持ち株で保有している株に対する配当金は現金ではなく株式の買い増しという形で支給されます。

おお、なかなか良さそうじゃんと思うかもしれませんが、当然株価の変動というリスクも負わなければなりません。給料天引きで買い付けた株価がどんどん下がっていけば何もしてないのにお金がなくなっていく可能性もあります。以下、メリットデメリットを議論します。

持ち株入会要否を選ぶポイント

 私は持ち株会入会の検討に当たって数多くのブログで持株会のメリットデメリットを調べてみましたが、概ね以下のように集約されるようです。

メリット

・自社の株を買うことにより愛社精神を高められ、モチベーションの向上に繋がる。もちろん、業績がよくなれば株価も上昇するため資産を増やすことができる。

・奨励金や配当金により給料外での資産形成を計ることができる。

デメリット

・上記にもあるように株式投資をしているので株価変動により資産が減ってしまうリスクがある。

・給料と資産を会社に依存してしまうため、会社の業績が悪くなった時に共倒れしてしまうリスクがある。

上記のメリットとデメリットを天秤にかけてメリットがデメリットを上回れば持株会に入会すればいいし、デメリットがメリットを上回れば入会しなければいいということです。もちろん、会社の業績や株価がどうなるかは神のみぞ知ることなのでどこまでのリスクを許容できるかという論点に変わります。

私は個人的に、上記のメリットがデメリットを上回ると考え持株会に入会しています。因みに、愛社精神が強いオジサン(上の方の人)達の持株会入会率はかなり高い一方、会社の未来に懐疑的な若い人はほとんど入会していなかったり。そういう精神論や抽象論ではなくもっと定量的評価に基づいて判断した方がいいんじゃないかと思います。

さて、なぜ私が持株会はメリットがデメリットを上回ると考えるかについて説明します。それは上記デメリットが以下のように回避できると考えるからです。

まず一つ目のデメリット「株式投資をしているので株価変動により資産が減ってしまうリスクがある。」

これは株を長期保有した場合株の変動リスクがありますが、保有株が100株に達した段階で機械的に売って行けばリスクを回避できます。人間欲深いもので、株式投資を始めると株価がまだ上がるかもしれないと思って保有してしまったりする人がいますが、これが損する元凶です。

もちろん機械的に売付をすると株価が下がっている時もあれば上がっている時もありますが、人間の欲による致命的なミス(完全塩漬け状態)が0になります。また、株式保有期間が短いため暴落などによる資産ダメージも小さくなります。

次に二つ目のデメリット「給料と資産を会社に依存してしまうため、会社の業績が悪くなった時に共倒れしてしまうリスクがある。」

この点についても上記の作戦(保有株が100株に達した段階で機械的に売付る)を取ればリスクはかなりおさえることができると思います。例えば、保有株100株、株価が4000円だとすれば、暴落して株価が半値になったとしても資産減は20万円分ほどに収まります。しかし、長期保有していると、例えば1000株分保有していたとすると損失は200万円になります。

つまり、持ち株会で100株保有した時点で(売却までに1ヶ月ほど時間かかりますが)売却して現金化する戦略を取れば上記2つのデメリットを極力回避しつつ、奨励金のメリットを享受できるはずです。

持ち株入会時の資産シミュレーション

ここまで、なんだかんだ持ち株会入った方がいいよというお話になりましたが、やはり株価って予測できないので怖いですよね。同期間でたまに持ち株会の話をしますが、「ウチの会社の株なんか大丈夫?株って予想できないからなんか怖いし。」などという人があとをたちません。確かに、株は予測できませんが、ある程度の確率でなら議論することは不可能ではないと思います。

ということで、実際に株価を動かしてシミュレーションして見ました。シミュレーションは以下のルールで行いました。

・株価4000円からスタート

・1日の株価は前日の株価から-100〜+100円の域でランダムに決定(ランダムウォーク)

・シミュレーション期間は3年

・時系列は簡単のため土日を省いて1ヶ月4週間(20日)

・月々の持ち株入金は5万円

・奨励金は月々の入金の10%

・配当金はなし

・保有株が100株に達した時の売却する(簡単のため売却は即成立するとする。)

株価は以下のようになります。(以下は一例)

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このようにシミュレーション株価変動パターンを100個作って上記ルールの下で利益を計算していきました。

結果は以下のヒストグラムです。単純に月々5万円を貯蓄した場合と比較して3年後にいくら得しているかを表しています。横軸は得した分の評価額で縦軸は頻度(シミュレーション100回中何回そうなったか)です。

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グラフを見るとなーんとなく20万円前後得をする可能性が一番高いことがわかります。特にこの結果から統計分析はしませんが、重要なのは損をする確率は100回やって1回しかないといいうことです。

まとめ

以上、もし自社に持ち株会制度があるならやった方がいいんじゃないかなということをシミュレーションして考えて見ました。

今回pyhtonでシミュレーション書いたの(とても簡単なコードです。)で興味ある方以下のリンクから見てみてください。

dorei-kaiho.hatenablog.com

(株価はランダムウォークではないので本シミュレーションは目安程度に捉えてください。投資判断はくれぐれも自己責任でお願いします。当ブログでは責任は一切負いません。)

 

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